家を新築する際、基礎工事が終わり、梁や柱などの骨組みが完成して棟上げをする時に行われる行事が『上棟式』です。
今後の工事の安全と、建物に災いが起こらないように、棟梁が中心になって祈願します。工事関係者、親族の方などを招いて行うのが一般的です。
角材に日の丸をあしらい五色の吹流しをつけた『梵天(ぼんてん)』を屋根の上に高く掲げ、お酒やお餅などをお供えして行われます。
引出物には「一生焼かん」と縁起を担ぐ意味で「やかん」をつけるのが一般的でしたが、最近では実用的なキッチン用品、家庭用品や食品類など多様化しています。
親族の方をお招きする場合は、手ぶらでお見えになる方はいませんので、引出物+鰹節+祝酒といった形で、手土産をお渡しするのが一般的です。その際には大工さんの分もご用意しましょう。
当日に、お酒やビール、ご祝儀を持って駆けつけて下さった方には、後からでも良いので気持ち程度のお返しをされるのが良いでしょう。
遠州地方では、上棟式の後『投げ餅』といい、屋根の上から紅白の丸餅やおひねりを投げる習慣があります。普通は二俵~三俵ほどですが、中には五俵もの紅白餅をまくお宅も有ります。
お餅と一緒にお菓子やおひねり(投げ銭)なども一緒にまかれますので、ご近所の方々が集まって来てお子様からご老人まで楽しく上棟式を祝って下さいます。
上棟の儀式を終えた後には、工事関係者や御祝にかけつけて下さった親族の方などをお酒やお料理などでおもてなしするのが一般的でしたが、最近では宴会の場は省略し、引出物や折詰め、ご祝儀をお渡しするだけというやり方も多くなりました。